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「鳥獣戯画」続編? 三宅島で恐竜描いた絵巻物見つかる

 笛育大学古生物学部は3日、伊豆諸島・三宅島(東京都)にある白亜寺で、恐竜のような生き物を描いた絵巻物が見つかったと発表した。動物を人間になぞらえて描く作風や筆致などから、日本最古の漫画として知られる絵巻物「鳥獣人物戯画(鳥獣戯画)」の続編の一部とみられる。

 三宅島で恐竜の発掘調査をしていた笛育大学の合同研究チームが先月、白亜寺の物置で桐箱に入った状態で発見した。その後、同大による鑑定で、13世紀鎌倉時代初頭に描かれたものであることが確定した。

 絵巻物を収めた箱には「鳥獣人物戯画・戊(ぼ)/作・大納僧」と記されていた。「鳥獣戯画」は甲・乙・丙・丁の全4巻とするのが通説だが、最終巻「丁」の最後にみかんを食べるカエルが脈絡なく描かれていたことから、これを「未完」と解釈して「鳥獣戯画」の続編が存在するという説も、古くから一部研究者の間で唱えられていた。

 今回見つかった「戊」の巻には、「サルの僧侶」「カエルの力士」など、これまでの巻でもなじみ深い動物が再登場しているが、何より注意を引くのは、恐竜のような生き物が新たに登場している点だ。恐竜を見たカエルが驚いてひっくり返っている様子も描かれている。

 三宅島で恐竜の生態を調査している笛育大学古生物学部の荘羽主水教授(63)は「『戊』には三宅島の雄山とみられる火山も描かれており、作者は恐竜を実際に目の当たりにしたのではないか。三宅島ではこれまでにも恐竜の目撃情報が多数寄せられており、恐竜が現代まで生き残っていても不思議ではない」と分析する。また、恐竜の種類については「背中の模様から判断して、小型肉食恐竜のコンプソグナトゥスではないか」と推測している。

 なお物語は、恐竜を含む登場人物らが突然「三国一の動物」を決めるために相撲大会を開くという、これまでの展開を全く無視したありきたりな内容で、作者のアイデア枯渇が顕著に表れている。

 三宅島では先月にも、絶滅を悟ったティラノサウルスが死後の化石映えを狙って前腕を星ピース型に並べた化石が複数見つかっている。23日からの本格調査に当たるため、現在調査隊員を6名、一般から募集している。

 調査隊への参加申し込みは、笛育大学古生物学研究室のウェブサイトで受け付けている。応募締め切りは4日(日)まで。


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